2020/01/24 05:54
子どもは無条件に「かわいい」ですね。
かわいいし、おもしろいし、時には「ハッ」とさせられる。
大人の中に子どもがひとりいるだけで、随分賑やかになります。
子どもの発達段階を知らなくたって、無条件にかわいいのですが、
大人が言う子どもの「イヤイヤ期」に差し掛かると、そこで衝突も多くなるといいます。
うちの子は今3歳手前なので、その時期を超えましたが。
そんなときに、子どもが
- どういう事ができるようになり
- どんなことに興味を持ち
- どんな行動をしたいのか
という各年齢の発達段階を少し知っていると、
「今はこういうことをしたがっているんだな」と
冷静に捉えられるようになると思います。
「知らなくても子どもを愛することができる」のですが、
「知ることで子どもをより愛することができる」のだと思うのです。
これは、野菜だって同じなんです。
「知る」ことでより「愛する」。
有機野菜の栽培は、植物生理を知ることから
有機野菜、有機農業というと、まずは「土作り」からということをよく見耳にします。
「良い土があって、良い作物が育つ」というのは、その通りです。
でも、
まずは作物がどのように育つのかということを知らなければ、
「良い土」とは何かがわからないわけです。
よく「フカフカ」とした土が良いとされます。それがなぜなのか?
それは、
- 葉だけでなく、根っこも呼吸をしているから。
なので土の中に空気は常に必要。
大雨が降って水が土から抜けないと酸欠状態になってしまうので、
水を排水できるように隙間がなくてはいけない。 - 根っこから水を吸って光合成をしているから適度な水分を保てるような
土の構造になっていなければいけない
など。
植物がどのようなメカニズムで生長していくのか、ということを知っていなければ、
どのような「土づくり」をすればいいのかわかりませんよね?
また、苗を育てているときも、
- 苗が大きくなるにつれて葉の量が増えるから光合成をたくさん行う。
なので、必要な水の量が増えるので水やりを増やそう - 曇天が続いていると、光エネルギーが少ないから光合成が落ちる。
なので、水やりを減らそう
といった、水やりひとつとっても「植物生理」がもとになります。
今までの話は簡単な話ですが、医学に例えると「西洋医学」のようなピンポイントな視点。
一方で、「東洋医学」のような全体を見る視点もあります。
野菜全体の生長具合をよく「観察」して診断する方法です。
- 雄しべと雌しべの長さの比較
- 茎の太さ
- 先端付近の葉の巻き具合
など。
野菜の植物生理、発達段階を「知る」ということが基本になって、
「育てる」ということにつながっています。
野菜を育てる場合、
「理論的なこと」も「感覚的なこと」も知って、うまく使い分けながら栽培することが、
最終的な目的の「おいしい」につながるのだと思います。
「理論」と「感覚」のバランスですね。
子どもをサポートする役が大人の役
当園のほとんどの野菜はまず苗を育て、その後に畑へ引越しします。
畑へ引越しした後で、
- 苗自身が困らないよう
- 健康に育つよう
しっかりとした苗を育てるサポート役をしています。
引越し前には、少し厳しい環境をつくり苗を強くするという作業も行います。
それで苗の茎は太くなり、逞しくなるのです。
一方、畑から家に帰れば、
苗を育てるサポート役から1歳の「子どものサポート役」に変身します。
家族への野菜のお届け役はさることながら、子どもと一緒に遊んだりしています。
野菜と同様に日々子ども接する中で、子どもについて「知識」を少し入れています。
そうすることで、子どもがとる行動に対して冷静に捉えることができると思うのです。
子どもの性質として、「子どもは本来、生まれつき自分自身を成長させる力を備えている」と、考えた医師が昔いました。
医師であるがゆえに、科学的な視点から子どもを観察し、そう考えたそうです。
0から6歳の子どもには「敏感期」という、特定のものごとに興味を持つ期間があります。
- 言語
- 数
- 秩序
- 感覚
- 運動
- 小さいもの
- 社会性
など。
また、子どもが「こうしたい」と思った自分の意思通りに実現できるようになりたい時期を、
「随意筋肉運動の調整期」と呼びます。
「自分で」、「一人で」と言い出す1歳を過ぎた頃からどう動けばいいのか、
動きの細かなところまで見る感受性が高まってくる。
でも、4歳をピークにその「随意筋肉運動の調整期」は消えてしまうそうです。
これらのことは、「子ども特有の発達段階」と言えますね。大人にはない話。
このようなことを少し知っているだけで、
大人からすれば「何をしているのか」と疑問に思う行動も
- 今は「秩序」だった行動を何度も繰り返しているだけなんだ
- 小さなものを「集中」して観察しているんだ
- 行ったり来たり歩く「運動」の練習をしているんだ
と、解釈できるようになると思うのです。
そして、実際に、子どもに対して接する時には、
- 「子供が選択する」機会を設ける
- すぐに子どもに教えない
- 集中することの楽しさを知ってもらう
など、「子どもの自立を育む」ように行動できる。
子供の発達段階を「知り」、「観察する」ことで、冷静に対応し行動がとれる。
そうすれば、子どもも親にとってもよい連鎖になっていくはずですが、
我が家も今後はどうなることでしょう?
まとめ
野菜も子ども、各々がうまく育つためには
- 科学的に分かっている「生長(成長)段階」を知り
- 人間的によく観察して、行動する
というアプローチがいいのかもしれません。
育てるって奥が深い。
だから、おもしろいのでしょうね。