2020/01/24 05:43


無農薬野菜や有機野菜の通販を個人の有機農家から検討するときに、
どのようなことを優先されるでしょうか?

・自分の住んでいる地域から近い有機農家
・自分とほぼ同年代くらいの有機農家
・経験年数の長い有機農家
・野菜セットに入る野菜の種類

など、それぞれの判断基準によって選択していると思います。

中でも、大きな違いが出やすいのは経験年数の違い、
つまり、「栽培」についてではないかと思います。

「栽培」は、有機農家自身の「考え方や生き方」も大きく反映されます。

・農薬は使いたくない
・肥料は入れたくない
・耕起したくない
・石油資材は使わない

自分が良いと思うこと、こだわりなどを「栽培」の基礎にする。
もちろん、有機農家の全てが「安心、安全」というものも基本に考えていると思います。

でも、「安心、安全」以外にも基本となる大事なことは何でしょう?

最後までお読みいただければ幸いです。

有機農家の「想い」よりも植物の「生理」


先ほど、「栽培」には有機農家自身の「考え方や生き方が大きく反映される」と書きましたが、
植物からすれば有機農家自身の想いは関係ありません

植物は、

・家庭菜園の畑に植わっている
・有機農家の畑に植わっている
・こだわった考え方を持った人に育てられている

ということは思っていないでしょう。

植物は「水と二酸化炭素から光エネルギーを利用して、炭水化物と酸素を作る
ということをしたいのであって、人は関係ありません。

上の文章を式で書くとこうなります。

H2O + CO2 → CH2O + O2

どこか見覚えのある式ではないでしょうか?
そう。「光合成」です。

植物からすれば光合成をたくさんしたいわけです。
光合成には、土の「物理性、生物性、化学性」が関わってきます。
どういうことなのか?それぞれ順に平たく説明していきます。

土の物理性は、「フカフカ」かどうかということ。
植物の根っこは呼吸していると思いますか?
答えは「呼吸している」です。
なので、硬くしまって、空気が含まれていないような土では呼吸ができません。
また、光合成には水が必要ですので、水を保持する必要もあります。

土の生物性は、人でいうところの「腸内細菌」と考えると分かり易いです。
土の中にも善玉菌、悪玉菌、日和見菌がいます。
善玉菌の多いと病気になってしまいますから、なるべく善玉菌が多い方が良い。

土の化学性は、人でいう「人間ドック」。
土の現在の状態を把握し、栄養分が過不足のない状態に補う。

例えば、
光合成をするためには「ミネラル」が重要な役割を果たします。
ちなみに、葉っぱの葉緑素は、

・銅Cu
・鉄Fe
・マグネシウムMg
・窒素N

などミネラルが大きく関わっています。
もし全くなければ光合成はできません。

と、ここまで簡単に、
理論という程ではありませんが、植物生理について書きました。

植物は農家の想いについては知らなくてもいいですが、
農家は植物生理を知らないと「方法論」へと繋がりません

それを基に、
「植物が光合成しやすい環境を整える」ということをするわけですね。

「理論から方法論へ」


方法だけを考えていると、良い結果が出たとしても、
悪い結果が出たとしてもよくわからない結果になりますよね。

なぜだか上手にできた、上手くできなかった
なぜだか試験の点数が良かった、悪かった

理由が分からないから、結果を見ても分からない。
算数の問題で、答えを当てずっぽうに書いて正解しても、その理由がわからないのと同じ。

ということで、まずは、大前提の理論を把握しておかなければなりません。
そして、「どのように」それを実践していくのか、
という方法論に移行すべきだと思います。

どのように実践するのかというのが百人百様であり、
試行錯誤、創意工夫の仕方のあるポイント。
ここが有機農家にとっては面白さであるともいえます。

経験年数が長いということは、農家自身のこれまでの実績を映し、
その人にとって最適な方法が確立されてきたものだと想います。

しかし、それが「理論」に立脚したものであったか?

それが基本にあるのとないのとでは全く違います。

これは元々、私が工学系だったからかもしれませんが、
何かを実験、試験するときはおそらくこうなるだろうと理論から仮説を立ててたものです。
なので、案外、理数系(工学系)を学んだ経歴を持つ農家からすると、
「入力と出力の間がどうなっているのか」ということを考えるのは自然なことかもしれません。

野菜セットを取り寄せるときには有機農家をとことん知る


これまでの話は、

植物にとっては有機農家の「想い」は関係ない
理論に立脚した栽培かどうか

ということになります。

無農薬有機野菜セットを通販で取り寄せるときにはどうすればよいのかというと、
その「生産者、有機農家を調べる」ということ。

今の時代あらゆるSNSを駆使して情報を発信、受信できる時代です。
有機農家も自ら情報発信していますから、とことん調べられます。
その発信している内容を見て、判断できるのではないでしょうか?

また、定期的にお届けするとなれば、自分に合いそうな人、合わなさそうな人、
ということも含めて判断するといいかもしれませんね。

その有機農家の考え方を知ること、バックグラウンドを知ることは、
より良いつながりになっていくはずです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。